ITコンサルタントに必要なスキル7つ|転職に役立つ資格も紹介
ITコンサルタントは様々な業界で進んでいる企業のDXをサポートする職種で、求人数も増えている傾向にあります。しかし実際にITコンサルタントを目指すとなるとどのようなスキルが必要なのか、資格は取得した方が良いのかイメージしにくいですよね。本記事では、ITコンサルタントに必要なスキルと転職に役立つ資格だけではなく、未経験から目指す方法まで解説します。
目次
ITコンサルタントとは
ITコンサルタントとは?
ITコンサルタントはIT技術や知識、ツール等を用いて企業の経営課題を解決に導く仕事です。
クライアント企業の経営戦略への理解や業界知識、最適なツールを導入するためのIT知識も求められます。
また、企業によって必要となる調査内容や分析方法なども異なるため、ITコンサルタントに求められる業務内容は多岐に渡ることが一般的です。
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ITコンサルタントの仕事内容
ITコンサルタントの目的は、「IT技術を用いてクライアントの業績・収益を上げること」です。
クライアント企業ごとに経営戦略に基づいたIT戦略策定、ITシステムの見直しなどのコンサルティングサービスを提供します。
主な業務の流れは以下の通りです。
- ①課題と戦略のヒアリング・既存システムの分析
- ②分析結果に基づく改善案の提案
- ③課題解決プロジェクトのマネジメント
まずはクライアント企業の課題や経営戦略を把握し、IT領域からのアプローチを探ります。
同時に、企業にすでに導入されているシステムの見直しを行い、改善や新規システムの導入・開発などの必要性を確認して提案します。
クライアント企業から採用されたプロジェクトの進行・管理と、課題解決までのサポートを行うのがITコンサルタントの仕事です。
ITコンサルとSIerとの違い
ITコンサルタントとSIerでは、請け負う領域と目的が異なります。
SIerとは一般的に技術者が所属する組織であり、クライアント企業から求められた技術を契約期間に準じて提供する企業のことです。
一方、ITコンサルタントは職業・業種であり、クライアント企業の経営課題を解決するための提案と成果を挙げることを目的としています。
ITコンサルタントが上流工程を、SIerが下流工程を担うといった特性の違いもあり、両者は仕事内容も大きく異なっています。
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ITコンサルと業務コンサルの違い
ITコンサルタントと業務コンサルタントでは、取り組む課題が異なります。
両者は企業の課題を解決するためのコンサルティングを行う点で共通しており、もともとITコンサルタントの仕事は業務コンサルタントに含まれていました。
しかし近年、ITテクノロジーの多様化やツール急速な発展に伴い、業務コンサルタントのなかでもIT戦略に特化した専門家がITコンサルタントとして確立されるようになったという背景があります。
現在では、ITの専門家として企業の課題に対しIT戦略に特化した業務を担うのがITコンサルタントであり、業務プロセスの改善に取り組むのが業務コンサルタントという点が両者の違いです。
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ITコンサルとシステムエンジニアの違い
ITコンサルタントとシステムエンジニアでは、請け負う領域が異なります。
課題解決のためのIT戦略を策定するのがITコンサルタントであり、戦略の1つであるシステム構築を担うのがシステムエンジニアです。
両者の目的はIT技術による経営課題の解決である点で共通しており、開発工程やシステム全般に関する理解といった求められる知識も一部重複しています。
しかし企画と実装という担当フェーズの違いがあり、ITコンサルタントはシステムエンジニアよりさらに上流工程を担うという特徴の違いがあります。
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ITコンサルタントの役割
ITコンサルタントの役割は、クライアント企業のニーズを掘り起こすことです。
企業の経営課題をIT技術で解決するという目的を果たすためには、経営課題を追求し、適切な解決方法を導き出す必要があります。
そのためにITコンサルタントは、クライアント企業との協議を重ね、関係を構築することが求められます。
また一方で、クライアント企業のニーズをITアーキテクトや実際に開発を担うシステムエンジニアに伝えることもITコンサルタントの大切な役割です。
システムをデザインし、プロジェクト管理を担うITアーキテクトは、システムエンジニアやプログラマーの上位職にあたります。
ITコンサルタントからの正確な情報共有に基づきITアーキテクトやシステムエンジニアが開発を行うため、クライアント企業の担当者だけでなく、技術者との関係構築もITコンサルタントとしての役割を果たすために欠かせません。
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ITコンサルタントに必要なスキル
課題を解決するための論理的思考能力
ITコンサルタントの重要な役割の1つが、クライアント企業の課題の特定です。
課題の特定から解決までのプロセスを構築するにあたり、物事を順序だてて考える論理的思考力が欠かせません。
また、クライアントへの提案の際にもロジカルな説明が求められます。
原因の分析、的確なアプローチ方法の把握、IT技術策定など、課題解決に導くための各工程において論理的思考力は必須です。
経営・事業に関する知識
ITコンサルタントにとって、システム構築は手段であり、目的は経営課題の解決です。
戦略立案にはIT全般の知識に加え、経営知識やクライアント企業の事業への理解も求められます。
IT戦略の立案にあたり、経営ビジョンへの影響を考慮する視点が必須であり、そのためにはクライアント企業の展望、中長期的な戦略・方針などを把握しておく必要があるからです。
経営知識をもったITコンサルタントによる、ITシステムの費用対効果が含まれた戦略立案であれば、クライアント企業の理解や承諾も得やすいでしょう。
クライアントの業界知識
経営課題を解決するためには、業界の将来性やクライアント企業の立ち位置を理解しておく必要があります。
適切なヒアリングを行うためにも、あらかじめ業界知識を身につけておきましょう。
他業界での経験が役立つこともありますが、それぞれの業界特有の経営課題も多く、幅広い知識よりも深い専門的な知識が求められがちです。
業界のビジネスモデルとそれに伴う業務フローを把握し、正確に理解しておくことで、ITコンサルタントとしての提案に説得力が増します。
IT技術の知識
ITコンサルタントに求められるIT技術の知識は、システムエンジニアなどの技術職種とは異なります。
要件定義や設計、開発などの実装スキルが必要なシステムエンジニアに対し、ITコンサルタントは経営課題を解決するために最適なIT技術を選定する知識やコストに関する知識などが必要です。
どのようなIT技術があり、導入することでどの程度のコストがかかりどのような改善と利益が見込めるのかといった、技術を使うための知識ではなく期待できる結果に関する知識が求められます。
プロジェクトを円滑に進めるためのマネジメント能力
クライアント企業に対して課題解決のためのサポート役を担うITコンサルタントは、システムを導入する際のマネジメント役としても活躍します。
ITコンサルタントは実際に手を動かしてシステム開発を行うわけではなく、実装するのはクライアント企業です。
提案したプロジェクトが採用されたら、クライアント企業が円滑にプロジェクトを進行できるよう、コミュニケーションをとりながら管理します。
そのため、進捗や開発メンバーを管理するためのマネジメントスキルが必要です。
コミュニケーション能力
ITコンサルタントとは異なり、クライアント企業の担当者が必ずしもIT知識に明るく、専門的な話に精通しているとは限りません。
課題を明確に言語化することをITコンサルタント側に求められることもあるでしょう。
そのため、担当者へのヒアリングや提案には高いコミュニケーション能力を要します。
課題の特定や言語化には信頼関係の構築も欠かせないため、専門用語を避け相手に伝わる言葉で説明する力や、相手が認識していない潜在的な課題を聞き出す力があるとITコンサルタントの仕事に役立ちます。
クライアントによっては英語力も必要
英語力があると、ITコンサルタントとしての需要や将来性を高めることができます。
例えば海外に拠点をもつグローバル企業の案件を扱う場合や、金融機関向けのコンサルタントを行う場合などにおいて、英語力があると大きな武器になります。
ITコンサルタントに転職するにあたり英語が必須ではないものの、語学力がアピール材料になるケースもあるでしょう。
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ITコンサルタントに向いている人
論理的に物事を考えられる人
論理的思考が身についていると、ITコンサルタントの仕事に役立ちます。
順序だてた考え方は、課題の特定や把握、戦略の立案やクライアントへの提案において欠かせません。
「なぜそのシステムが必要なのか」を言語化し、根拠とともに分かりやすく伝えることができる力が大切です。
感覚を重視する方よりも、ロジカルな思考を得意とする方はITコンサルタントの適性があるでしょう。
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情報のアップデートに敏感な人
IT知識によって経営課題を解決に導くITコンサルタントにとって、日進月歩で日々アップデートされ続ける最新のITトレンドには、常にアンテナを張り巡らせておく必要があります。
最新のITテクノロジーやツールといった、IT知識の引き出しが多ければ多いほど対応できる課題のバリエーションが広がり、解決スピードも向上するでしょう。
日常的な情報収集が習慣化している方、情報源を複数もっている方、そして何よりIT技術への関心が深く知識の習得に困難を感じない方はITコンサルタントに向いています。
第三者とのコミュニケーションが得意な人
クライアントへとの関係構築は、ITコンサルタントとしての役割を果たすために重要です。
ヒアリングの精度や柔軟な施策の提案、またプロジェクトにおけるマネジメントでもコミュニケーションが欠かせないため、円滑な関係構築が求められます。
また、ITアーキテクトやシステムエンジニアをはじめとした、クライアント企業でシステムを構築する技術者へのマネジメントを行うためにも日常的にコミュニケーションをとる必要があります。
ITコンサルタントとしての業務の性質上、責任者としての役割を求められる場面が多く、さまざまな異なる職種のメンバーを統括するためには高いコミュニケーション能力が必須です。
忍耐力が高い人
忍耐力もITコンサルタントの資質として欠かせません。
経営課題といっても業界や企業によってさまざまであり、容易に究明できるとは限らず、特定が難航することもあるでしょう。
また、人と人の間に立ちコミュニケーションの橋渡し役を担うことも多く、トラブルの仲介やさまざまな調整を行うのもITコンサルタントの役割です。
コンサルタントという名称から華やかな印象を持っているとギャップを感じることも多いため、根気強くコツコツと目の前の困難に向き合うことができる方がITコンサルタントに向いています。
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ITコンサルタントの年収と将来性
ITコンサルタントの年収
ITコンサルタントの年収水準は高く、20代前半で430万円、20代後半で524万円、30代では681万円、40代になると900万円以上に達することもあります。
特徴として、高年収であることのほかに職位や雇用形態、企業規模によって年収に差があることが挙げられるでしょう。
例えば経験年数が3年程度のコンサルタントの年収が500万~700万円程度ですが、シニアコンサルタントへ昇格することで900万円前後に増加し、マネージャ職以上であればさらなる高年収が期待できます。
スキルや経験が年収に直結しやすいため、転職エージェントやツールを活用して適性年収を把握しておくことをおすすめします。
ITコンサルタントの将来性
近年ではさまざまな業界でIT関連の見直しを進める企業が増え、それに伴いシステム投資を重視する企業が増加傾向にあります。
技術革新がめまぐるしい現代において、最新技術を取り入れる必要性は多くの業界で高まりました。
経営課題解決を目的としたIT技術の導入が浸透していない業界・企業では特に、自社が抱える課題に最適なIT技術の選定が困難です。
一方、たとえ最新技術が導入されている企業であっても、アップデートなどの改善や、より専門的な提案を求める企業も課題解決をサポートしてくれる専門家を求めています。
このような背景により、ITコンサルタントの需要は今後さらに高まることが予想されるでしょう。
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ITコンサルタントの転職で役立つ資格
ITストラテジスト
ITストラテラジトは経済産業省が管轄、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する国家試験であり、高度なITスキルを扱う人材を選抜するものです。
より経営者視点でのIT戦略を立てられる技術を身につけるために役立ちます。
PMP
PMPはプロジェクトマネージャーとしての実務経験が証明できる資格であり、資格認定は米国PMI(Project Management Institute)本部が行なっています。
PMP試験を受験を受けるための条件として、下記に挙げる条件のどれか1つを満たしている必要があります。
- ・大学卒業orそれに相当する資格保有者、直近8年以内に3年以上かつ4,500時間以上のプロジェクトマネジメント経験がある
- ・高校卒業orそれに相当する資格保有者、直近8年以内に5年以上かつ7,500時間以上のプロジェクトマネジメント経験がある
- ・35時間以上の公式なプロジェクトマネジメントの研修を受講経験
中小企業診断士
企業経営のコンサルティングであることを証明する資格であり、日本で唯一経営コンサルタントとしての国家資格です。
経営全体の診断を行い、解決策を策定する能力を証明することができます。
日本版のMBA(経営学修士)とも呼ばれることがあり、マネジメントスキルを身につけてキャリアアップしたい人は取得を目指すとよいでしょう。
日商簿記検定
日商簿記検定は日本商工会議所と各地商の工会議所が主催する簿記の検定試験であり、「複式簿記」を採用しています。
財務諸表を読解する力や基礎的な経営管理、分析力を身につけることができるため、クライアント業務の理解や経営視点の強化にも繋がり、ITコンサルタントへの転職にも非常に役立つ資格です。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ(PM)は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験です。
情報処理技術者試験の1つであり、取得することで組織の管理や運営に関する理解度や実践能力を身につけることができます。
組織マネジメントのプロフェッショナルとしてのスキルレベルが証明される資格です。
ITコーディネータ
ITコーディネータ協会が認定する民間資格です。
ITコーディネーター(ITC)を取得することで、IT系の知識だけではなく、経営・マネジメントといったビジネスの知識も活かし、ITサービスを推進させ、IT経営を実現させる専門家であることが証明されます。
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ITコンサルタントを目指す方法
SEからITコンサルタントにキャリアチェンジする
ITコンサルタントは開発に携わることはないものの、IT技術の知識は欠かせません。
実際、ITコンサルタントの募集要項にはシステムエンジニアの経験が求められていることも多いです。
システムエンジニアとITコンサルタントでは、クライアント企業から求められる領域は大きく異なる一方で、実際に開発工程の知見を持つ人材からのコンサルティングは再現性が高いと評価されやすいでしょう。
システムエンジニアからITコンサルタントへの転職を目指すためには、得意な領域・技術を言語化しておくこと、経営視点を身につけること、事業戦略や業務改善の視点で改めてIT技術を理解することが必要です。
また、コミュニケーションスキルやマネジメントスキル、リーダーシップなどを磨くことでITコンサルタントの業務に役立ちます。
未経験からITコンサルタントに挑戦してみる
IT業界まったくの未経験である場合や、技術の知識がない、経営などビジネス全般への理解が乏しい状態からITコンサルタントに挑戦することは難しいでしょう。
しかし一方で、ITコンサルタント未経験であっても活かすことができるスキルや経験は多岐に渡ります。
未経験者の採用を行っている企業は、ITコンサルタントの仕事に役立つ経験をもつ人材を求めていることや、研修プログラムなど教育体制が整っていることが多い傾向です。
もしも未経験からITコンサルタントへの転職に挑戦する場合は、転職エージェントを活用することでアピールポイントをより正確に把握することができます。
企業ごとに異なる求める人物像の詳細や、これまでの経験でアピール材料になるポイントを参考にすることで、未経験からの転職を成功させやすくなるでしょう。
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ITコンサルタントを目指すならIT業界特化の転職のプロに相談
ITコンサルタントの需要は、引き続きさまざまな業界・企業で高まると予想されます。
未経験であっても、IT技術への知識や経営視点、マネジメントスキルなどITコンサルタントの仕事に役立つスキルは幅広いため、転職を考える方は市場を把握することから始めるのがおすすめです。
「エンジニアからキャリアアップしてITコンサルタントになりたい」
「IT業界に転職して年収を上げたい!」
「もっと自分の志向性に合った環境で働きたい!」
などのキャリアのお悩みは是非、「IT・Web業界の知見が豊富なキャリアアドバイザー」にご相談ください!
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