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ワーケーションのメリットを解説!IT企業への導入状況や事例は?定着への課題を転職エージェントがご紹介

ビジネススタイルは徐々に変革されています。その中の1つとして注目されているのがワーケーションと呼ばれるシステムです。ワーケーションのメリットと実際の導入事例や課題などを紹介します。

ワーケーションは次世代型のライフスタイル

 

パソコン周辺の画像

 

ワーケーションという言葉が最近登場しました。ワーク(仕事)とバケーション(休暇)の2つを組み合わせた造語です。

観光や帰省をしながら休暇先でもリモートワークを通じた仕事のスタイルといえるでしょう。

近年ではニューノーマルな働き方として注目し、環境省では補助金を出すほど力を注いでいます。

今回はワーケーションが一般化した場合のメリットなどを中心に今後の動向などを探っていく内容です。

 

 

ワーケーションの主なメリット

 

ワーケーション中の画像

 

国内でのワーケーションの取り組みは2017年よりJAL(日本航空株式会社)グループが推進し始めて注目を浴びました。

大企業が働き方改革の一貫として導入するからにはそれなりな利点が考えられます。ではワーケーションのメリットを解説していきましょう。

 

長期休暇が取りやすい

 

ワーケーションのメリットで顕著なのが長期休暇が取れることです。

実際に欧州では1ヶ月以上ものバカンス休暇は当たり前になっていますが、日本では有給休暇すら取りにくい現状のまま今に至っています。

休暇への課題や取り組み方が先進国でありながらかなり遅れているのです。

エクスペディアの調査では世界19ヶ国の中で有給休暇取得率最下位になったこともありますが、「休み不足を感じる」という回答の割合は55%から43%とやや改善の傾向がみられるようになりました。

また「毎月有給休暇を取得」で世界一位、「上司が休暇取得に協力的」と感じる人が半数を超えるなど少しずつ休暇が取りやすい環境に変わって来ている段階です。(参考:エクスペディア『有給休暇・国際比較調査 2022』)

そこでワーケーションが制度化されリモートアクセスできれば、必要最低限の業務と並行しながら長期休暇が可能な環境が実現します。

多くのビジネスパーソンが働き過ぎる環境から解放されるでしょう。

 

ワークライフバランスが均等になる

 

オフィス環境から離れてリゾート地などで仕事ができるため、心身的にリフレッシュできる効果も期待できます。

リモートワークの時間以外は完全フリー状態です。

山や海・温泉などで日頃の疲れを癒やすことができ、家族もいればきっと楽しい旅行も同時進行できる利点が生まれることでしょう。

ワークライフバランスが上手に保てるので、かえって仕事や日常生活へのモチベーションを維持できます。

 

仕事のメリハリがつく

 

ワークライフバランスともリンクしますが、ワーケーションは仕事のメリハリと質が向上します。

パソコンを開いている時間が仕事なので短時間になり精神的ストレスも少ないのが特徴です。

終日オフィス内に閉じ込められている状況ではないので、自然に囲まれた環境の変化が相乗効果を生みます。

普段は思いつかない発想やアイデアも出やすくなるので、今まで以上に革新的な業務をこなせることでしょう。

 

企業の評価が高まる

 

ワーケーションを導入するとその企業の評判もよくなります。

働き方改革を真摯に捉えて進歩している企業だというアピールにつながるからです。

スタッフにとっては日々の働き方が改善されることで、離職する意識が薄らいでいくことでしょう。

求人や採用募集でもワーケーション制度は強いアピールになり魅力が伝わります。

 

ワーケーションに向いている主な職種

 

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ワーケーションは今後の新しいビジネススタイルとして注目されています。

しかし必ずしもすべての職業にマッチした形式ではないことも事実です。

ここではワーケーションに向いている主な仕事・職業について解説していきます。

 

システムエンジニアおよびプログラマー

 

最もワーケーションに取り組みやすい業種はシステムエンジニアやプログラマーでしょう。

すでにリモートワークをしているシステムエンジニアも圧倒的に多いと言われています。

その流れでワーケーションもしやすい環境に身を置くことができるのです。

IT系エンジニアはパソコンとインターネット環境が整っていれば仕事が可能でしょう。

どこにいようが今ではネット上ですべて完結できてしまう仕事です。

 

デザイナーおよびイラストレーター

 

アートデザイナーやイラストレーターもワーケーション対象者です。

クォリティの高い成果物を納期までに提出できれば、その製作過程を自分一人で完結できてしまいます。

事前に製作用ソフトやマシンスペック導入などの一定条件が必要です。

ただし身の周りや環境を整えれば山の中でも海辺の町でも仕事が開始できる利点があります。

 

ライターおよび編集者

 

一昔前とは違ってライターや編集者もパソコンがあればほぼ完結できる仕事です。

コミュニケーション自体は多いのですが、それらもweb会議やチャット機能が一般化してきました。

ダイレクトに対面しなくても怠ることがないからです。

Zoomでのミーティング・チャットワークでの連携・GoogleDocsでの原稿共有しながら進捗管理をしている企業も多く見かけます。

 

マーケティング分野の仕事

 

webマーケティングの需要が拡大する調査・分析・企画の分野も大部分はリモートワーク化が実施されワーケーションにも適しています。

内容によっては現場に足を運ぶ必要もありますが、ほとんどの作業環境はパソコン内でできる仕事です。

 

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ワーケーション導入時に必要なルール

 

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今後ワーケーションを導入する際には企業側が制度をいかに設計するかによります。既存の企業はタイムカードでの時間管理が普通でした。

しかしワーケーションではそれが成立しないので、成果管理に変更する必要があります。

時代にマッチした柔軟な管理制度へと改編していくことが重要です。

では主なワーケーション導入時の必要なルールや課題を解説していきましょう。

 

勤怠管理

 

まず最初に取り組むべき制度改編は勤怠管理です。ワーケーションの期間中は出社・退社がありません。

その代わりになる新しいシステムを構築する必要があります。

タイムカードでは対応できないため、ワーケーションおよびリモートワークにも対応したツールを導入することになるでしょう。

 

労務管理マネジメント

 

ワーケーションの場合のは主要都市から離れた観光地や遠隔地へ移動するのが通常です。

その際には万が一のための労災保険法についても考慮することになるでしょう。

他にも休暇でありつつ勤務も発生しているので、宿泊費・交通費負担などについての新しいルールを確定する必要があります。

 

対象者の設定

 

先述にもあるように、すべての仕事がワーケーションに適しているわけではありません。

そのため可能となる対象者をどこまでに設定するのかも課題になります。

多くの部署を抱える大企業ならその線引きが難しいといえそうです。

 

現在のIT企業の導入状況

 

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ワーケーションの盛り上がりはIT系企業を中心に活発化されています。

とくに近年ではリモートワークを実施し始めてある程度まで定着しているという公表も目立っています。

完全リモートワークによって出社する割合は週1~2回になったという方も増加中です。

大手IT企業のヤフーでは無期限リモートワークを発表したこともあります。

オンライン前提企業というテーマで実施したところ以前よりも生産性も向上していることが明らかになっています。

グーグルでは新型コロナウィルスの影響から在宅勤務を2021年6月末まで公認することを発表しました。

出社せずに仕事ができる環境を確保することが可能なら、ワーケーションがもっと一般化することも夢ではありません。

 

ワーケーション導入の成功事例

 

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現在どのような企業が実際にワーケーション制度を取り入れているのでしょうか。

ここではワーケーション導入を試みている先進的な企業の事例を紹介します。

 

JALの導入事例

 

JAL(日本航空)ではワークスタイル変革の一環として2017年からワーケーション制度を導入しました。

まずは社内にて体験ツアーとして役員が率先しながら合宿型ワーケーションからスタートし徐々に制度を整えたようです。

2017年では11人利用でしたが翌年は78人に増加、2018年では174名に増加しています。

 

ユニリーバ・ジャパンの導入事例

 

ユニリーバ・ジャパンは2019年より独自ワーケーションスタイルを始めました。

「地域deWAA(Work from Anywhere and Anytime)」と銘打って導入開始をしています。

特徴は自治体との連携をしながら滞在する形式です。スタッフは滞在する自治体にある施設をコワーキングスペースとして利用します。

事前申請によって一定の範囲内で勤務時間を自由に決められルールです。この制度の実施により生産性や幸福度の向上が見えているようです。

 

日本マイクロソフト株式会社

 

実は日本マイクロソフト株式会社には「ワーケーション」という名称の制度はありません。

しかし同社は、自社製品である「Microsoft Teams」を活用した場所を選ばない働き方をもともと採用しており、ハイブリッドワーク(オフィスワークとテレワークを組み合わせた働き方)は新しい概念ではないのです。

2019年には週休3日制を試験的に導入するなど先進的な取り組みをすすめる会社であり、今後も新しい働き方の推進が期待されます。

 

株式会社野村総合研究所

 

野村総合研究所では2017年からグループ参加型のワーケーションを実施しています。

年に3回、1ヶ月間、徳島県三好市のサテライトオフィスに従業員を派遣し、地域の暮らしを体験しながら課題解決に取り組むという施策です。

社員にとっては、日常を離れた環境で新たな価値観を見つける良い経験になっているようです。

 

株式会社セールスフォース・ドットコム

 

世界最大級のクラウド型顧客管理サービスを提供する株式会社セールスフォース・ドットコムでは、南紀白浜にサテライトオフィスを開設しています。

2015年に総務省の地域実証事業に参画してのことです。

仕事とプライベートのバランスをとるワークライフインテグレーションによって、白浜オフィスの生産性は向上しています。

 

ランサーズ株式会社

 

ランサーズはアウトドアブランドのCHUMSとコラボレーションし、キャンピングカーでワーケーション体験ができるキャンペーンを実施しました。

もともと会社のルールに則り「時間と場所にとらわれない働き方」を実践する社員が多い同社では、新しいつながりから生まれる人脈やアイディアが会社の生き残りにもつながると考えています。

 

三菱UFJ銀行

 

三菱UFJ銀行では、長野県軽井沢町の保養所を活用したワーケーションに取り組んでいます。

軽井沢への家族旅行と、保養所の1室に整備されたワーケーション用のオフィスでの仕事を同時に叶えることができる環境です。

これにより、リモートワークにおけるセキュリティ面の問題解決につながっています。

 

サイボウズ株式会社

 

サイボウズでは、推奨すべきはワーケーションではなく多様な働き方ができるような制度や社風づくりだとしています。

時間帯、場所、など働き方をフレキシブルに選べる同社は、ワーケーションよりさらに先を見据えていると言えるでしょう。

特徴としては人事制度「働き方宣言制度」の運用などが挙げられます。

 

株式会社LIFULL

 

LIFULLが運用する「Living Anywhere Commons」は、全国各地の廃校や遊休不動産、コワーキングスペースを利用できるサービスです。

宿泊機能も兼ね備えた施設で、二拠点生活の第一歩という形での利用も可能です。

同社では働き方の自由は採用にも関係すると捉えています。

 

ワーケーションを充実させるポイント

 

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ワーケーションを円滑に進めるにはいくつか気をつけておくポイントがあります。

普段自分が住む環境から離れるため充実したワーケーション用の取り組み方が必要です。

では最適なワーケーションのためのポイントを解説しましょう。

 

労働環境はよいか?

 

労働環境の最適化はワーケーションを左右する重要なポイントです。

旅先の宿泊施設などでの Wi-Fiなどの整備ができているかを確認しておく必要があります。

とくにオンラインでミーティングをするようなら電波の状況が大切です。地方ではまだまだ電波の状態が悪い地域もあります。

必ず自分が行く場所の環境を下調べしておくべきでしょう。

 

労働以外の環境の充実

 

ワーケーションは旅行と仕事の両立が根本としてあります。

仕事の環境が整っているだけではなく仕事をしない時にこそ充実できる場所でなくては意味がありません。

観光地として誘致している場所ならそれなりに楽しい施設が充実しているでしょう。

しかし過疎地や遠隔地ではそうもいかなく不便な思いをしてしまいかねません。いざという時の対処もできそうな場所であることが大切です。

 

地域コミュニティの充実

 

地域コミュニケーションができる場所であればなおよいでしょう。ワーケーションをする場合は単独もしくは家族同伴です。

ホテル滞在中に1人になる機会も多いため、他者との交流が減っていきます。

それがよいという側面もありますが、できれば地元地域との交流の機会も提供できる工夫があるほうがよいでしょう。

耳寄りな情報なども入りワーケーションがより盛り上がっていきます。

 

 

まとめ

 

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ワーケーションは今後さらに拡大されていくシステムだとされています。

しかしまだまだ多くの企業が遅れを取っていて消極的なのがデメリットでもあります。

長期休暇が無理なら1週間前後の休暇を利用して自分なりにワーケーションをしてみるのもよいでしょう。

パソコンを持ち込める環境があればちょっとしたワーケーション気分も味わえるはずです。

その上で改善すべき課題も新しく浮上するかもしれません。

ワーケーションはワークライフバランスが問われる時代の新しい生き方としておすすめできます。

 

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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